皆さんは、街中で【実質負担0円!!】というような見出しを見たことはありますか?
特に携帯電話を販売しているキャリアショップや家電量販店の壁とかにポスターが貼られていたりしますよね。
私はこういうポスターを見て、
と思ってました。…同じように思われる方、いませんか?
今回は、各キャリアごとに設定されている割引と絡めて、この【実質負担0円】という文言に隠されたカラクリについてご説明いたします。
目次-必要な所だけクリックして見て下さい-
実質負担0円のカラクリについて
携帯電話代金=(月々の利用料金-キャリア毎の割引き)+端末代金で決まる!

毎月の携帯電話の利用料金は、(月々の利用料金-キャリア毎の割引き額)+端末代金という形で決まります。
ここでのポイントは、月々の利用料金から先にキャリア毎の割引き額が引かれて、その後に端末代金が乗っかっているというところです。
後述しますが、キャリア毎の割引き額は端末代金を割り引いているワケではないのです。
実質負担0円と謳って販売している場合は、上記でいうところのキャリア毎の割引き額と端末代金がプラスマイナス0になっている場合が多いです。
キャリア毎の割引きとは?

大手3大キャリア(docomo、au、SoftBank)で携帯電話を購入すると機種ごとに設定されている割引を受けることができます。
キャリア毎に割引きされる金額と名称は異なります。
- docomo:月々サポート
- au:毎月割
- SoftBank:月月割
逆に言えば、キャリア毎で名称は違うものの、端末代金が割引されるという観点では同じです。
なので、月々サポート=毎月割=月月割と思っていただいて構いません。
このキャリア毎の割引ですが、実は端末代金から割り引かれているワケではありません。
月々の利用料金(電話代やパケット通信費など)からキャリア毎の割引き額が引かれ、その後に端末代金が乗っかるという式になっているのです。
実質負担金0円という言葉の落とし穴!端末代金、かかってます
実質負担金0円とは、携帯電話を分割購入することを指す

携帯電話を買うとき、皆さんは一括購入と分割購入のどちらで買っていますか?
実質負担金0円の携帯電話を買うというのは、基本的に分割購入のことを指しています。
48,000円の携帯電話を24回払いで買う場合
48,000円÷24=2,000円 1回の支払額は2,000円です
これが分割購入です。
この2,000円という数字と同額のキャリア毎の割引き額が設定されると実質負担金0円という買い方になります。
上記の例で言えば、端末代金の月々の支払金額2,000円とキャリア毎の割引き額が2,000円だとプラスマイナス0円になりますね。
実質負担金0円の落とし穴!その内容について
となるのは、まだ早いです。ここからが落とし穴です。
実は、このキャリア毎の割引き額というものが曲者なのです。
この割引額は、購入した携帯電話を使い続けていないと適用されないのです。
どういうことかというと、下記の例を見てください。
- 携帯電話Aの端末代金:48,000円÷24回=2,000円①
- 携帯電話Aのキャリア毎の割引き額=2,000円②
- ①ー②=0円
ここまでは良いですね。
実質負担金0円で携帯電話を買うことができました。
ですが、ちょうど1年経った頃に新しい携帯電話Bが欲しくなったあなた。
ここで買い替えてしまうと…
- 携帯電話Aの端末代金残り:24,000円(48,000円÷24回=2,000円×1年)①
- 携帯電話Aのキャリア毎の割引き額=0円②
- ①ー②=24,000円
※24,000円の携帯電話Aの端末代金が発生します!!
- 携帯電話Bの端末代金:96,000円÷24回=4,000円③
- 携帯電話Aのキャリア毎の割引き額=4,000円④
- ③ー④=0円
キャリア毎の割引き額とは、購入した携帯電話を機種変更したり解約した『時点で終了』となります。
つまり、実質負担金0円で携帯電話を購入すると実質2年間はその携帯電話を使いつづけないといけないということです。
携帯電話を分割購入していると、こういう事態に陥りがちなのです。
キャリア毎の割引き額には回数が定められている!

キャリア毎の割引き額は、永遠に割引がされるワケではありません。
端末代金を24回払いで購入した場合は24回、
仮に36回払いで購入した場合は36回、
というように、割引される回数は決まっているのです。
その回数が残っている段階で、機種変更や解約をしてしまうと『その時点で』割引の適用が終了となってしまいます。
仮に実質負担0円で購入した携帯電話を、回数が残っている時点で機種変更したり解約してしまうと、突然端末代金の請求が降りかかってくるのです。
一括購入のときはどうなるの?

一括購入というのは、その名の通り端末代金をその場で支払うということですね。
48,000円の携帯電話を買うときに、その場で48,000円を支払う
これが一括購入です。
買い切りという人もいますかね。
一括購入をしてももちろん、キャリア毎の割引き額は適用されます。
その場合は、すでに端末代金は支払い終わっているので、毎月の使用料から割引がされるだけです。
一括購入の場合もキャリア毎の割引き額が残っている段階で機種変更や解約をすると割引がその時点で終わってしまいます。
なぜ、「実質負担0円」と言って売るのか?

これも結論からお伝えしましょう。
実質負担0円と謳った方が集客できるからです。
また、本当に0円で販売するということは法律で禁止されているのでできません。
それに販売店は機種の仕入れ代金分、赤字となってしまいます。
機種代金をしっかりと回収したうえで、仕入れた機種を販売し切りたい…
というキャリアや、各代理店の考えのもとでこう言った言い方で販売されていたのです。
現在は、総務省からのお達しで「実質0円販売」や、「高額キャッシュバック」といった方法での集客は禁止されています。
…が、まだそういった売り方をしている店舗があるのは事実です。
お客様の立場で、そういった買い方をしてもデメリットはありませんのでご安心ください。
仮にそういう売り方をしている店舗があったとしたら、総務省からの指導を覚悟のうえで集客しようとしているのです。
見つけたらラッキーくらいに思っておくのがよさそうです。
注意点

以上で「実質負担0円のカラクリ」についての説明を終わりますが、最後に注意点が3つあります。
- ウェブ使用料+データ定額パックへの加入が必須
- 月々の利用料金<割引き額の場合、超過分は消滅する
- 選んだデータ定額パックによっては割引き額が適用されない
それぞれを詳しく見ていきましょう。
ウェブ使用サービス+データ定額パックへの加入が必須
上記で説明してきたキャリア毎の割引き額を適用させるためには、条件があります。
それは、ウェブ使用サービスとデータ定額パック(パケットパック)への加入が必須であることです。
ウェブ使用サービス
- SoftBankの「S!ベーシックパック(現在はウェブ使用料という名称に変更)」
- docomoの「spモード(3Gガラケーの場合はiモード)
- auの「LTE NET(EZ WIN)」
これらのサービスに加入をしないとメール機能とウェブ使用ができません。
iPhoneやスマートフォンを購入する場合は必須のサービスなので、付け忘れることはありません。
(もしついてなかったらお店のミスかもしれません…!)
データ定額パック(パケットパック)
パケット通信、という言葉を聞いたことはありませんか?
データ定額パックとは、「〇〇GBまでのパケット通信代金」のことを指します。
各キャリアで名称こそ違うものの、容量と価格は同等です。
よく言われるパケ死や速度制限とは、契約しているデータ定額パックの容量をすべて使い切ってしまった場合を指します。
使い切ってしまった場合、通信速度がめちゃくちゃ遅くなってしまいます。
月々の利用料金<割引き額の場合、超過分は消滅する
月々の利用料金が2,000円で、キャリア毎の割引き額が2,500円の場合
→利用料金超過分の500円は消滅します
上記の例を見てください。
- 月々の利用料金は2,000円
- キャリア毎の割引き額が2,500円
割引き額の方が多くて超過分が500円ありますね。
この場合、超過した500円分の割引き額は消えてなくなります。
翌月に持ち越すこともできません。
月の利用料金が2,000円、キャリア毎の割引き額が2,500円、端末代金2,500円の時
→(2,000円-2,500円)=超過分が消滅して0円+端末代金2,500円=2,500円
次の例です。
- 月額料金は2,000円
- 割引額が2,500円
- 端末代金が2,500円
という内容で実質負担0円で購入した場合を見てみましょう。
キャリア毎の割引き額は端末代金から差し引かれることはありません。
なので、この場合だと月々の利用料金-割引き額=-500円となりますが、この500円分は端末代金から差し引かれることなく消滅します。
そうなると、実質負担0円で購入したはずなのに違うじゃん!!という事態になってしまうので注意が必要です。
現状、「通話し放題プラン」にて契約を行うと、こういった事例が発生する可能性はあり得ないのですが、知っておいて損はないかと思います。
選んだデータ定額パックによっては割引き額が適用されない
最近では、データ定額パックに「1GB(SoftBank、au)」というものが用意されています。
これは、通話し放題ライトといった『5分以内の通話であれば24時間無料』という料金プランに加入している場合のみ選択できる「専用のデータ定額パック」です。
ですが、このパックを選択するとキャリア毎の割引き額が適用されないので、端末代金まで含めるとトータルで高くなる可能性があります。
携帯電話を購入する際に最安額を検討する場合は、下記の料金プランで試算してみてください。
【試算1】
- 通話し放題プラン:2,700円
- ウェブ使用料:300円
- データ定額パック2GB:3,500円
- キャリア毎の割引き額:-〇〇円
上記合計6,500円-月月割
【試算2】
- 通話し放題ライトプラン:1,700円
- ウェブ使用料:300円
- データ定額パック1GB:2,900円
- キャリア毎の割引額:適用なし
上記合計4,900円
要するに、キャリア毎の割引き額が1,601円以上であれば【試算1】の方が安くなります(分割代金と割引き額によっては例外アリ)。
これを覚えておいて頂ければ、最安額でのプラン選びは困りませんね。
まとめ

今回は、携帯電話の実質負担0円のからくりについてまとめてみました。
月々の支払額は下記の流れで決定します。
(月々の利用料金-月月割)+端末代金
この公式を覚えておけば、実質負担0円という意味が理解できるかと思います。
また、選んだ料金プランによっては実質負担0円にならない場合もありますので、ご注意ください。
それでも不安な方は、
と販売員の方に聞くのがベストです。
それでは今回はここまで。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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